ドルトンと呼ばれた男がワポルという男と決着をつけるとか何とかで おれ達はルフィ達の向かった城へやってきた。 ロープーウェイを使って来たからここまでの景色は最高だった。 ビビるウソップに押されて終着点のホームから外へ出ると、 おりゃーっ!と叫びながらルフィが拳を突き出して 城のてっぺんから勢いよく降ってきた。 どうやら船を襲った奴らのコートを着たおれを敵だと勘違いしたらしい。 あ?何で敵のコートを着ているかって? そりゃーお前…寒かったからだよ。 ルフィの話によると、ワポルはルフィがぶっ飛ばした様だ。 他にも2人いたらしいが、そいつらはおれ達の後ろの木で 『頭隠して尻隠さず』を見事に実行している青っ鼻トナカイが倒したとか。 そのトナカイを見たドルトンは 「ありがとう!ドラムはきっと生まれ変わる!!!」 と、トナカイに膝をついて頭を下げた。 …事情はわからないが心打つものがあったのは確かだった。 その後は賑やかでな。 2本足で立つトナカイをウソップが『バケモノ』と呼んでしまった為に 逃げ出したあいつを 「バカ野郎!おれが見つけた仲間ってあいつなんだぞ!!! 待てよ!!バケモノォ!!!!!」 「「「オイっ!!!」」」 ウソップを殴ってから叫びながらルフィは追いかけ、 城の入り口に現れたばぁさんはケガ人を病室へ運ぶように指示し、 それに背こうと隠れていたナミと素敵マユゲを城壁を蹴りで壊して連れて行った。 手術をされた素敵マユゲの叫び声が城中に響き渡る中、 ビビ達と一緒にナミの元へ行くが、その部屋にの姿がなかった。 「…おいナミ。の姿が見えねェが無事なのか?」 「私が起きた時にはもういなかったわよ。 隣の部屋で寝てるんじゃない?」 「そうか。…………。」 おれが腕を組みながらそう言うと、ナミはニヤリと笑い 「心配ならゾロ、あんたの所に行ってきなさいよ。」 「な!?おれは別に…!」 「Mr.ブシドー。ナミさんは私が診てるから行って大丈夫よ?」 「っっっ!!!」 おれはそんなつもりで発言したんじゃねェ! そう言いかけたけど、こいつらには口では勝てないから素直に部屋を後にした。 隣の部屋へノックして入ったがもぬけの殻。 おい!あいつどこへ行った!? おれは慌てて廊下へ出る。 他の部屋は入った形跡がない。 そうすると…上か!? 急いで螺旋階段を駆け上がり、2つ目の部屋を覗いた時 雪の地面に倒れ、雪の布団を被ったを見つけた。 頭が真っ白になった。 「おいっ!っ!!起きろっっ!!!」 を抱き起こし、頬をペシペシ叩いたがピクリともしない。 体は冷たく、足は何故か素足で真っ赤になっていた。 再び頬を叩こうとした時、おれは気付いてしまった。 頬についている氷がまるで一筋の涙のようになっていることに。 お前はここで泣いていたのか? 何故そんな事をする理由がある? おれ達の前では、泣けねェっていうのか? おれの前でも……。 複雑な気持ちになりながらの頬にそっと触れ、氷をとる。 しばらくして冷たいのは表面だけだということに気付き安堵した。 一つ、小さな安堵のため息をついた時 の頬に添えていたおれの手にそっと彼女の手が重なった。 「ギン…さ……?」 うっすらと開かれた瞳は濡れていて。 おれの心臓はまるで雷が落ちたかの様に激しく脈打つ。 無意識におれはを自分の腕の中へおさめた。 “ギン”って誰だ、とか何でこんな所に居たんだとか。 そんなことも吹っ飛ばして想ったこと。 「ばか野郎…!」 眠りに落ちてもなお泣き続けていたのか、お前は! おれの言葉に我を取り戻したのか、は慌てて体を突き放そうとした。 だけど、おれはそれを許さない。 「ゾロ!?なん…わぷっ!?!?」 何か言いかけたの頭をおれの胸へ押しつけて黙らせる。 そしてもう一方の手を腰に回し、少し力を強め 「1人で泣くんじゃねェ…っ!」 おれの言葉に何を思ったのかはわからない。 でも、何とか身をよじって話せる体制に戻したは おれの腕から逃げずに少しおれに体重をかけてきた。 「ありがとう…。」 そう呟いては優しく笑った。 << BACK NEXT >> |