ルフィとサンジ君に追いかけられていた筈のチョッパーが 本物のトナカイのような姿で慌てて戻ってきた。 「ワポルが帰ってきた!」 そう告げる彼にドクトリーヌは「そうかい…。」とだけ言い、部屋を後にした。 残されたのは私と。 彼女は私の枕元の椅子へ深く腰掛け、手足を組んでその姿を見送っている。 何かを想う様にその姿をいなくなった今でも見つめていて。 「…、どうかしたの?」 たまらず私が声を掛けると、彼女はそっと目を伏せ「いや…。」と呟き 天を仰いでそっと目を開けた。 「ナミ、人はいつ死ぬと思う?」 突然の質問。 何でこんなこと言うのかもわからなかった。 私はを見つめながら 「そんなの、心臓が止まった時に…「違うよ。」 「人に忘れられた時だ。」 あまりにも真っすぐ私を見つめるものだから、私は何も言えなくなってしまった。 そんな私にはそっと微笑むと 「ほら、賑やかな奴らがいない今のうちに寝とけ。 子守唄…唄ってやるから。」 そう言って私を布団へ寝かせた。 「私は子供じゃないわよ。」 「あはは!わかってるって!!」 私の頭をポンポン叩きながら笑うの顔は やっぱりいつもとどこか違っていて。 その証拠に彼女はまるで縋るような瞳で私を見、 「ナミ…俺のこと、忘れないでくれよ……?」 ポツリと言葉を漏らした。 ねぇ、? あなたは何を考えているの? 私には話してくれないの? そう訴えるように見つめると、それを読み取ったのかは苦笑して 「…来る時が来たら、ちゃんと話すよ。」 そう言って再び私の頭をクシャっと撫でた。 「だから、私は子供じゃないって!」 「はいはい。わかってますよ。」 「…子供じゃないんだから、アンタのこと…忘れるわけないじゃない。」 そう言って布団を頭から被った。 布団を少し下げて、そっとフィルを除くと、 少し驚いた顔を見せてすぐ、嬉しそうに彼女は笑った。 そんなの子守唄に導かれるように私は少しの間眠りについた。 << BACK NEXT >> |