「飛んだっ!!」 ドゴォォォォオンッ!!!! 空を斬る音と共に雪の地面に深くてでかい穴が開く。 ジャンプして避けたから特に怪我はないんだけど。 あ、です! 実は今、結構ピンチだったりして。 「何だこの動きはっ…!ゴリラかよ!!」 「違う!!白熊だ!!!」 「バカ、サンジがゴリラって言ったんだからゴリラだろ!?」 「うさぎだよ!!」 「「お前今ゴリラだっていったじゃんっ!!!」」 ウサギ並に機敏でクマみたいな体格をもったデカイ生き物。 どうやらこいつ等がドルトンさんの言っていた“ラパーン”らしい。 何で俺達が襲われてるかと言うと、雪国の人は寝ないだの 雪国の女は肌がスベスベだのくだらない話をしていた最中にちょっかいを出してきた ボスと思われるラパーンの子供をサンジが「うっとおしい!」と蹴り飛ばしたからだ。 うーん、人間と同じで子供がやられると親は殴り込みに来るんだな。 いやーこれがさっきも説明した通り、力がすげぇ。 この足場の悪さの中、あんだけ動けるのもすげぇ。 しかも俺達3人の両手両足の指では数えきれない程の頭数。 さて…どうしたもんかね。 俺が一つ溜息をついた時、サンジからルフィに忠告が入った。 「いいかルフィ…。お前は絶対にこいつらに手ェ出すな!」 「なんで?」 「例えばお前が攻撃をしたとしても、受けたとしても、その衝撃の負荷は 全てナミさんにまで響いちまうからだ!! ……死んじまうぜ。そんなことしたらマジで…。」 そう言うサンジにルフィは戦わないと約束をした。 「じゃ、どうすりゃいいんだ!?」 「とにかく避けろ! 避けて逃げて――― で退くな!!!」 「難しいぞ、それっ!!!」 「あはははははは!!!」 「、笑い事じゃねェ!!」 いやいや、笑わずにはいられねぇから!! 腹を抱えて笑う俺に、フッと影がかかる。 目の前をラパーンのパンチが襲う。 俺はそれを顔を左に動かして避け、 「当たんねぇよ。」 ドゴォォンッ!!! 右の拳をラパーンのミゾオチに埋めた。 軽く繰り出しただけなのに2〜3mは飛んだかな? どうやら同時にサンジも自慢の蹴りをキメていたらしく、 逆上したラパーンが一気に俺達へ向かって飛んできた。 さすがにこれは…! 俺達は森へ入り、上への道を発見したルフィを援護しながら足を進めた。 それでもラパーンの追撃は止まらなかった。 サンジと一緒に蹴って殴って。 その度に銃弾の入った左肩がズキズキと痛んだ。 走り続けてるから当然の如く少しづつ呼吸が乱れ始めた時。 「ゴホッゴホッ…あいつら何ジャンプしてんだ?」 追撃をやめたかと思ったら上の方でボフボフとジャンプを始めた。 あの巨体が地に落ちた時の雪煙りがよくわかる。 それは次第に増していき…。 ゴゴゴゴゴゴゴ…… 「…ゴホッ!この地響き…嫌な予感が……。」 「どうした?」 「やりやがった…あのクソうさぎ共…!!」 「おいサンジ、どうしたんだ?」 「逃げるぞルフィ、ちゃん!」 「うわっ、嫌な予感的中!!ルフィ、走れ!!」 「逃げるってどこへ…。」 「どこへでもいい!どっか遠くへだ…!!」 サンジが叫ぶ。 「雪崩がくるぞォ!!!」 気がつけば雪崩はすぐ傍まで来ていた。 << BACK NEXT >> |