「速やかにここから立ち去りたまえ。」 「おれ達医者を探しに来たんだ!!」 「病人がいるんですっ!!」 どーも、です。 やっと島を見つけて上陸しようとしていた矢先、 島民の皆さんに囲まれてしまいました。 しかも皆様ご丁寧にライフルを手に殺気立っております。 リーダーっぽい四角い体格の良いおっさんの言葉にルフィとビビが反論したけど 「そんな手にはのらねェぞ!!ウス汚ねェ海賊め!!」 「ここは我々の国だ!!海賊など上陸させてたまるか!!!」 「さァ、すぐに錨を上げて出てゆけ!!! さもなくばその船ごと吹き飛ばすぞ!!!」 ……御覧の通り。 「おーおー…、ひどく嫌われてんなァ…。初対面だってのに…。」 「口ごたえするな!!!」 ドゥンッ!!!!! 「うわっ!!!!」 撃った……!! サンジの反射神経が良かったお陰でスレスレ避けてたけど…ハラハラする! しかもこの感じは…マズイ!!! 「やりやがったな……。」 ほらキレたぁーーー!!!! なんでウソップ以外の男達はこう短気なのかねぇ!? あぁ、バカ野郎!睨むんじゃねぇ!! ほーら島民の人ビビってライフル構えたじゃねぇか!!! こっちはナミがいるってのに…くそっ!! 「てんめェ!!!!」 「まってサンジさんっ!!!」 「そうだ!やめろ…っ!!」 攻撃しようと踏み出すサンジを俺とビビが体で止めた時。 ドゥンッ!ドゥンッッ!!! 「ビビ!!!」 ルフィの叫び声を聞きながら俺は一度サンジへ倒れ込み そのまま力なくデッキの床へ倒れ込んだ。 倒れる前にチラリとビビを見たんだけど…あいつ、肩に銃弾かすってやがる!! しかも動かねぇ…っ! 死んじゃいねぇとは思うけど…くそっ! 俺は左肩に穴が開いたようだ。痛いし動かねぇ!! 手が痙攣してるし…って、あぁーっ!! ルフィもキレたーーーっ!!! 行くな、行くな!! 他の奴らも戦闘態勢になるなっつーの!! 俺が両手に力を込めて体を起こそうとすると 「ちょっと待って!戦えばいいってもんじゃないわっ!!!」 そう言いながらビビがルフィに飛び付いた。 やはり弾は腕をかすっただけらしく大丈夫な様だ。 ふぅ…、心配させやがって…! 俺は何とか体を起し、ふらつきながら立ち上がり 「…お前らも武器を降ろせ。」 ゾロとウソップの武器を握る手にそっと自分の手を置いた。 少し苦しいのは白い息でわかっていたと思う。 ゾロの手に置いた左手は既に血が伝ってきていた。 「上陸はしませんから…医師を呼んでいただけませんか!? 仲間が重病で苦しんでます!! 助けて下さいっ!!」 俺達の後ろでビビが正座し、島民達へ額をデッキへぶつけて頭を下げる。 「あなたは…船長失格よ、ルフィ。 無茶をすれば全てが片付くとは限らない…!!」 「………。」 「このケンカを買ったら…ナミさんはどうなるの?」 ポタポタと肩から血を流しながら静かにルフィに語りかける。 「…うん、ごめん!!おれ間違ってた!!!」 「医者を呼んでください! 仲間を助けてください!!」 ビビの横に並んで正座し、デッキへ額をぶつける程深く頭を下げた。 ゴン!という音がやけに響いた気がする。 俺は安心して肩の力が抜けるのを感じながら笑った。 そして、ルフィの横に正座し 「仲間を助けて下さい。お願いしますっ!!!!」 同じように額をぶつけて頭を下げる。 「……………。」 この時、俺以外の人がどんな表情をしていたのかは知らない。 それでも長い沈黙の後 「村へ…案内しよう。」 リーダー(と思われる人)が島へ降りる許可を降ろしてくれた! あまりの嬉しさに俺とビビはパッと顔を上げ 「ね?わかってくれた!」 「うん、お前すげェな!」 「リーダー(と思われる人)!ありがとう!!」 ゴンっ! 俺はもう一度深く頭を下げた。 「一つ…忠告をしておくが、我が国の医者は…」 「魔女が一人いるだけだ。」 「「「「「「 は? 」」」」」」 …まだまだ肩の荷が下りそうにない。………ハァ。 << BACK NEXT >> |