ルフィに抱えられて皆と合流した。 どこから持って来たのか知らないが広げられたせんべいをルフィ達と頬張る。 俺が取ったせんべいは何故か全部割れていて、誰かの陰謀を感じた。 そんな俺達の横では自分がこの島に来たから敵がこの島に来た…と俯くビビ。 ムッ!と思って眉をひそめると俺が動くより早くナミがビビの頬をつねった。 「いたいっ!!」 「そういうことは言わないの!」 「そうだぞビビ。何をしょげてんだ?せんべい食うか?」 「おー、もらっとけもらっとけ! ルフィから食い物貰えるなんて滅多にねぇぞ!」 「あっはっは!確かにそうかもな!!」 「…あんた、それどこから持ってきたの?」 「あ、それは俺も聞きてぇ!」 バリバリとせんべいを食べながらナミの問に同調した。 そんな俺達を指しながらナミがビビへ向き直る。 「…誰があんたを恨んでる?」 ナミの言葉にビビが少し困ったように笑った。 「よし!!とりあえずせんべいパーティーだ!!!」 「おぅナミ!もっと脱げ!!」 ゴンっ!!! 「うはは!ウソップお前目から火ィ出たぞ!!」 「あはははは!!どんな手品だよ!?」 「もいっかいやれ!もいっかいっ!!」 「ばか…。」 「ぎゃはははは!!!! にしてもナミは乳がでかくて羨ましいなぁー…。」 ゴゴンっ!!! 「!あんたはもっと女らしい発言しなさい!!」 「普通の女らしい発言だと俺は思うんだが…。痛ぇ…。」 俺は殴られた所を撫でながら、やっと手にした 割れてないせんべいをバリン!と割り、ビビの肩に腕を回して 「ほら、俺のせんべい半分やるから!その八の字眉毛を元に戻せ!」 そう言ってニッ!と笑った。 ビビもナミにつねられた所を撫でながら「ありがとう。」と言って笑った。 それから暫くしてログが貯まるのが一年という問題が発生。 だがそれは煙草の煙をハートにしたサンジによって解決された。 何でも今までボスと電々虫で話していたとか。 しかも俺達は死んだことになっているらしい!! 更にはアラバスタへのエターナルポースも手に入れてきた!!! やったぜサンジ!よくやった!! あまりの嬉しさにビビはサンジに抱きつき、被害者はいつも以上にメロリンになっていた。 やはり彼もアホだったか。 「じゃあ丸いおっさんに巨人のおっさん!! おれ達行くよっ!!!」 「そうか…。まァ…急ぎの様子だ。」 「残念だが止めやしねェ…!!国が無事だといいな。」 「ええ、ありがとう!」 「ブロギーさん、さっきは肩貸してくれてありがとう。 ドリーさん、今度はあなたの肩に乗せてくれな!」 「師匠っ!おれはいつか!!エルバフへ行くぜ!!!」 皆それぞれ挨拶をしてその場を後にする。 俺は一度は足を森へ向けたがまるで弾かれたように戦士たちの元へ走った。 「どうした?」 「ブロギーさん、ドリーさん。手を出してくれ!」 「?手を?」 二人は頭に大きな?を浮かべたが素直に手を差し出してくれた。 包帯が巻かれた自分の何十倍もある手。 ゴツゴツとした長い指。 俺は二人の指が一番間隔の近かった薬指にそっと手を置いて額をコツンとつけた。 「エルバフの神よ…。 またいつか…この誇り高き戦士たちに会わせて下さい。」 そう呟いて二人の指にそっと唇を落とす。 さっきの戦いで確信した。 この海を一周した時、きっと俺はこの世にいない。 でも…願うだけならいいだろう? また会いたいと。 今度は一緒に酒を飲みたいと。 くだらない話を聞きたいと。 そう願うだけならいいでしょ? いいよね…ギンさん……。 俺は顔を上げ、二人の顔を見て笑った。 力の抜けたヘラっとした顔だったかもしれないけど…。 それでも二人は笑い返してくれた。 そして大きな指をドリーさん、ブロギーさんの順で俺の頭に乗せ 「にエルバフのご加護を…。」 そう言って俺の頭をグルンと回した(撫でていたのかもしれないが…。) 俺はボテっと尻もちをついた。 ついたと同時に自然と涙が出た。 くそぅ…!涙腺が弱くなってきてやがる!! 俺は涙を拭くこともなく顔を上げて 「…っ!ありがとう……っ!!」 二人の言葉が心に染みた。 賑やかな人間たちが去り、静かになったそこには巨人が二人。 「………友の船出だ。」 「あぁ…。放ってはおけん。西の海には魔物がいる。」 丸い巨人の言葉に傷だらけの巨人が答える。 「この斧もその剣も寿命だな…。」 「未練でも?」 「未練ならあるさ。100年以上共に戦った斧だ…。だが。」 「あいつらのためならば 惜しくはない!!!」 「…決まりだな。」 巨人は地に突き刺さったそれぞれの武器を手に取り立ち上がる。 ドシンという大きな足音を鳴らし、地を揺らしながら歩を進めた。 ――――― 友の船出を見送る為に…。 << BACK NEXT >> |