「くはっ!あー寝た…。ん?」





目が覚めると仲間全員がくたくた寝ていた。

おいおい!

いくら気候がいいからって全員ダラけすぎだぜ?

そう言うと何か言いたげな視線が返ってきた。

言いたいことがあるならハッキリ言えっての!!

ん?この転がっている2人はクジラん時の…。





「今そいつらの町へ向かってるんだ。」





そう、船内への入口上の手すりに座ってルフィが言った。

その後ろには何故かが俺から隠れるように覗いている。

俺と目が合うとサッっと隠れちまった。

…何なんだよ。

俺、なんかしたか!?





、どうした?ゾロが怖ぇーのか?」

「え!?いや、違う…けど…。」

「さっきのこと気にしてんのか?」

(…さっきのこと?)

「っ!べべべっ、別に気にしてねぇよ!!」

「顔赤いぞ?大丈夫か?

 気にしてねぇんだったら隠れる必要ねーじゃねーか。」

「うわー!おでこくっつけようとするんじゃねー!!

 かっ、隠れてなんかねーよーだ!!

 ちょっと船長の背中の広さを見たかっただけだし!?

 よう、ゾロ、おはよう!!」





そう言いながら冷や汗ダラダラで笑いながら挨拶してくる。

…“さっきのこと”って何だ?

俺が寝てる間になんかしたか!?

いや、そんな筈はねぇ!

人が近づいたら気配でわかるし…。

にしても顔赤くしたって何か可愛いな。

…って!!何考えてんだ俺!!!

動揺して顔を右から左へ向けるとさっきの捕鯨者。

Mr.9とミス・ウェンズデーねぇ…。

なんか聞いたことあんだよなぁ。

そう思った時。







ゴン!!



「!!!?」







いきなり後ろから頭を殴られた。

ムカついて振り向くと、そこには鬼となったナミがいた。





「…あんた今までよくものんびりと寝てたわね…。

 起こしても起こしてもグーグーと…!」

「あぁ!?」





ゴゴン!!





いて!!…何で殴られたんだ!?

しかも戻ってきて

“これはの分!”って言いながらまた殴られた。

3発だぞ!くっそ、たんこぶできたし!!

頭を押さえていると、そっとが横に来て俺と同じ目線までしゃがんだ。





「大丈夫か?ナミの攻撃は結構痛いのな。

 俺もちょっと前に蹴られた。」





笑いながら殴られた所に手を置いて。









「痛いの痛いの…ぶっ飛んでしまえーーー!!!」









そう言いながら、何かを投げ飛ばし、

もう帰ってくんじゃねーぞー!と付け足した。

あまりの勢いのいい動作に呆気にとられいたらクルリと俺の方を向いて









「もう痛くないだろ?」









そう言って、優しく笑った。









俺の心臓が、ドクンと跳ねた。







その顔はさっきの冷や汗ダラダラの時の顔とも、

ルフィ達と騒いでいる時の顔とも違って。

きっと誰が見てもキレイと言うだろう。

その顔にすべてを奪われて動けない俺の前に立って。







「さっきは…隠れて悪かったよ。」







少し目を細めて困ったような顔をしながら言ってきた。





「…気にしてねぇよ。」





何とか出た言葉。

俺の言葉に安心したのか、笑って返事をしてルフィ達の元へと戻った。

がいなくなってからも、俺の心臓は何かおかしい。

顔も熱い。

俺は口元を手の平で隠しながら言う。





「なんだよ、あれ…っ!」







この気持ちがわからないまま、俺達は最初の島に上陸した。






































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