、体は大丈夫なのか?」

「ん?未だに咳は出るし、血も吐くさ。

 でも、前より大分いい。

 あの時は、ありがとう。」

「愛しいちゃんの為ならあのくらい当然さ!

 でもちゃん。

 君が一人ってことは…もしかして…。」

「…当たり。ギンさんはもういない。」





俺達と一緒に海軍から逃げながら、

今にも泣きそうな顔では答えた。

この顔を見ただけで、どんだけギンを想っていたかすぐ分かった。

そりゃ、一緒にガスマスク捨てて毒ガス吸っちまうくらいだ。

想っていない方が、どうかと俺は思う。

は一呼吸置いて。







「でも、やりたい事が出来た。」







そう言って、走りながら一歩後ろへ下がった。

何かと思ってを見ると、海兵達の方を向いて立ち止まった。

少し身を屈めて、腰に下げた、ゾロよりも短い刀のようなものの鞘を掴んだ。







「この命全部使い切るまで、俺の唄を世界に残したいんだ!!」











「あなたの船の…クルーとして!!!」











勢いよく刀を抜いた。

抜いただけなのに、最前列を走っていた海兵は次々倒れていく。

スッゲー!!今ので3分の1は倒したんじゃねぇ!?

海兵達が動揺している隙に、顔だけこっちに向けて呟く。







「ダメ…かなぁ?」







そんなの、答えは決まっている。

俺は腕を伸ばしての腰に腕を回し、自分の元へ連れてきた。









「いいに決まってんだろ!!!」

「あ!コラ、てめぇ!!ちゃんから離れろ!!!」









俺はを抱きしめた。

サンジにを取り上げられてから、は自分の足でついてきた。

嬉しそうに笑いながら。

…ししし!可愛いやつ!!



途中、モクモク野郎に邪魔されたけど、俺達は何とか船に辿り着いた。





「早く乗って!!船、出すわよ!!!

 って!誰よ、その子!?」

!新しい仲間だぞ!!」





ナミが叫ぶ。

それに答えながら、俺達は船に飛び乗った。

はピタリと足を止め、









「ギンさん、いってきます。」









そっと呟いた。





!掴まれ!!」





笑って返事をして、俺の伸ばした手を固く握った。

びゅん!と帰ってきた手をばちん!と元に戻して、

付いてきたを体全部で受け止めて。







「俺達は、仲間だ!!」







そう叫んで、あまりの嬉しさに、再びを抱きしめた。





“始まりのと終わりの町”を後にして、船は動き出す。

新しい仲間を連れて。




































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