アーロンパークでの戦いからどれくらい経ったかわからない。 だが、裏切ったナミが返ってきてから数日。 俺達は『ローグタウン』に立ち寄った。 「やっぱ3本あると落ち着く。」 ローグタウンを歩きながら俺は呟いた。 前の戦いで刀が2本折れちまったから新しいのを買った。 …いや、鍛冶屋のオヤジに貰った、のか。 オヤジの心意気と共に。 にしても、人気がだいぶ薄れてきたな。 そう思った時、ウソップ・ナミ・グルグルマユゲにはち合わせた。 「で?あいつは?」 「死刑台を見るって…言ってたわよね…。」 「死刑台のある広場ってここじゃねェのか?」 ウソップの言葉に、ふと広場を見ると。 「「「「なんであいつが死刑台にっ!?!?!?」」」」 あんのアホ船長! しかも“俺は海賊王になる男だ”と叫んでやがる。 その前に死んじまったら元も子もねぇだろ!! しかも執行人がバギーかよ! とにかく、あの死刑台を壊さねけと!! 「どけ!邪魔だっ!!」 俺はクソコックと共に雑魚共を斬りながら死刑台に向かう。 くそ…!敵が多すぎる!! 斬り進んでると、ルフィが俺達の名を呼んだ。 「わりぃ、おれ死んだ。」 そう言って、笑った。 っ!バカなこと言うんじゃねェ!!! そう叫んだ時だった。 「死なせねぇよ。」 俺達の前から声が聞こえた。 この声の主と思われる人影が人混みの中から飛び出した。 人の頭を踏み台にして死刑台へ進み、そして飛んだ。 ズバンッ!!! …死刑台を、斬りやがった。 しかも、あれは刀よりも随分短い刃物だ。 斬れたとしても自身に近い土台だけだろう。 と、言うことは剣圧で残りの土台を斬ったのか…!? 死刑台が少しずれ始めた時、そこへ雷が落ちた。 もちろん、ゴム人間のルフィは無傷。 死刑台もバギーも黒こげ。 ルフィは帽子を拾い、 「なははは!やっぱ生きてた。 もうけっ!!」 笑いながら、帽子を被った。 そしてクルリと後ろを向き、死刑台を斬った人間に声をかける。 「ししし!サンキュー、。」 「俺は死刑台を斬っただけだし、天があんたを助けたんだ。 俺の力じゃない。」 「っ!ちゃん!!」 半袖のブラウスに黒いブーツカットのパンツ。 首には首輪。右耳には黒くてでかい石のピアスが一つ。 肩にギリギリ付かない長さのくせっ毛の銀色の髪は、 雨に濡れてしまっている。 …誰だ、この女。 こんなに細い体で、どこにこんな力があるのだろう。 そんな事を考えながら、俺達は海軍から逃げるべく、 全速力で、船へと向かった。 << BACK NEXT >> |