「猛毒ガス弾!『M・H・5』!!」







ドゥン!!!







ついに発射された。

は俺の横から離れない。

それだけじゃない。

ずっと、俺の服の裾を掴んでいた。





「お前ら使え!!」





麦わらさんがマスクを投げてくれた。

ぷっ…有難いがアンタのマスクがなくなっちまうだろ。

俺は、2つ投げてくれたマスクのうち1つを返した。

そして、もう1つを…。





。」

「うん、わかってる。」

「うぉ!?ちゃん、何す…!」





がサンジさんを捕まえて、俺がマスクを被せる。

抵抗するサンジさん。

でも。





「サンジさん。

 私達の恩人が、こんな所で死んじゃダメだよ。」





がそう言うと、サンジさんは少し大人しくなった。

俺の腕をつかむ手は離されなかったけど。















5分くらい経っただろうか?

毒霧が晴れてきた。

震えが止まらない。

口と鼻から出る血も止まらない。

それは、おれの前にいるも一緒で。

呼吸が荒い。

でも、生きているとわかっただけで安心した。





「ハッハッハッハ!バカな野郎達だぜ!!

 たかがメシに大層な恩を持っちまうからそんな目にあうのさ!

 まァ…バカは死なねェとわからねェか…。」





崩れる俺達の耳に、首領の高笑いが聞こえる。

普通なら怒る所だが、そんなことよりも苦しさの方が勝っていた。

サンジさんがマスクを被せてくれ、

二人のコックが俺とを船の二階に運んでくれた。



空気が変って、何とか身を起こせるようになった頃、戦いは終わった。



…運ばれる前に麦わらさんが言ってくれた。

“殺されるな”と。

“意地で生きろ”と。

“あいつは俺がぶっ飛ばしてやる”と。

それが本当になるとは、思いもしなかった。

信じられなかった。

あの人は、俺が唯一人憧れた男だったから。

俺は立ち上がる。

首領の喚き声が聞こえる。







ドムッ!!!!







俺は首領の溝落ちに拳を埋める。

倒れてくる首領を担いで、サンジさんに礼を言って。

麦わらさんに伝言を頼んで。

そしたら、また血を吐いちまった。

崩れかける体を、誰かが支えてくれた。





「…。」

「サンジさん、コックさん、大丈夫。

 私が、ギンさんの側にいるから。」











「覚悟は出来ているから。」











そう言って、笑ってみせた。



皆を貰った船に乗せて、サンジさんに別れを言う。





、行くぞ。」

「うん。」





そう返事を返すと、何故かはサンジさんの方へ向かった。







「何から何までありがとう、サンジさん。

 また…ご飯食べにくるからね。」









…ちゅっ。









おおおぉぉぉい、ーーーー!?!?

お前!この俺がいながらなんてことを…!!

まぁ、今回は見逃してやらぁ。(ほっぺただったし…。)





しししっ、と笑いながらこっちにくる。

いつか、また来よう。

もっとでかい男になって。

今度は戦うこともなく、船に揺られてまた来よう。







戦う海上レストラン『バラティエ』に…。




































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