「行くよ、麦わらさん。」

「こい!っ!!」











同時に地を蹴る。

ミホークにバラバラにされた俺達の船とバラテティエを繋ぐ

道となった船の上を走る。







ガッ!!!







麦わらさんの拳と俺の拳が当たる。

まぁ、予想通りだ。

普通ならそこで動きを一瞬止めてしまうだろうが、

俺はそのまま殴りかかった勢いでもう片方の拳を顔面めがけて繰り出した。





「うぉっと!」





あ!避けた!!

まぁ、そんな時もあるから仕方ない。

後で出したパンチの勢いのまま、俺はくるりと一回転する。

そしてそのまま、先に出した手で裏拳をきめる。

だが、負けじと麦わらさんが放ったパンチも俺の顔に直撃した。

お互い、3歩後ろへ下がる。







「いっつ〜!!やるなぁ、!!」

「麦わらさんこそ…!」









ヤバイ、楽しい。





こんなに楽しい戦い、久し振りだ。

向こうではギンさんも当然の如く押してるし。

うん、燃えてきた!!

俺は再び地を蹴る。

その時、黙って見ていた首領が口を開いた。







、何でナイフを使わねぇんだ?」

「!!」







ドキッっとした。

そりゃ、確かにナイフはいつも使ってたけど。

あれを使ったら、俺はこの人を…。





俺は返事をせずに聞こえないフリをした。

首領の溜息と盾の開く音が聞こえた。

ポチャン、と海に何か落ちたかと思ったら、爆音と共に

俺の後ろで水の壁を作った。







「お前がやらないなら、俺がすぐに殺してやるさ!!」

「首領!?」







水の壁から、首領が放つ矢が飛んでくる。

ちっ!いらんことを…!!

俺はギリギリで交わしながら麦わらさんと一緒に

バラティエの壊れたヒレへなんとか逃れた。

くそっ、少し掠っちまった。

麦わらさんは足に刺さってるし。

声をかけたら“大丈夫”という言葉が返ってきた。

理不尽な首領の攻撃に、俺は思わず叫ぶ。







「首領!この人は俺が…!!」

「黙れ。元々は俺の獲物だ。」

「お前っ!戦う気あんのか!?」







麦わらさんも叫ぶ。

もちろん、首領の答えはノー。

この人は本当に…っ!!

そう思った時、後ろから歓声が聞こえた。

振り返ると、ギンさんがサンジさんに蹴られた所だった。

ムクリと起き上がり、サンジさんの上に乗る。

だけど、ギンさんの表情は…。





俺は、この後彼の放つ言葉を悟った。











「できません!首領・クリーク!!」









結局こうなるって、最初からわかってたよ、ギンさん。
































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