ミホークが去って、コック達との戦いが始まった。

俺の基本的な立場は戦闘“副総隊長”。

簡単に言うとギンさんの補佐だね。

でも、今は首領の横にいる。

ギンさんが向こうにいる今、俺がこの人の側を離れちゃいけねぇ。

…まぁ、この人は俺みたいのが守んなくても大丈夫だろうけど。

だから、ずっと横にいた。




レストランの魚の頭が突っ込んできても。

サンジさんの華麗な蹴りを見ても。

パールが野生化しても。

ギンさんがオーナーっぽい人を人質にとっても。

…サンジさん達の過去を聞いても。

それにちょっと感動しても。

俺は横にいた。











ギンさんが動くまでは。











「ギンてめぇ!裏切るのか!!」





パールを殴って寝かせたギンさんに首領が吠える。





「申し訳ありません、首領・クリーク。

 やはり我々の命の恩人だけは…。」









「俺の手で葬らせて下さい。」









…ギンさん。それは無理だ。

俺にはわかるよ。

闘っても、あなたには殺せない。

だって…。











あなたは優しい人だから。











麦わらの言葉に首領が怒る。

そして、ダマシ撃ち。

…本当に卑怯な人だな、この人は。

首領が麦わらに問う。





「俺かお前か!どっちが海賊王の器だ!!」

「俺!!お前ムリ!!!」

「ぷっ…!」

「てめぇ、!何笑ってんだ!?」







おぉっといけねぇ!

キッパリと言う麦わらに思わず笑ってしまった。

首領の怒りが益々膨らむ。





「ギン!そのコックはてめぇが責任持って息の根を止めろ!!

 …この世間知らずの小僧は俺が殺る!!!」







…ふー、やれやれ。

怒りが頂点に達したようだ。

俺は首領の前に片手を広げて立った。







…。何の真似だ?」

「首領ともあろうお方がそんなに頭に血上らせてはいけませんよ。

 怒りは隙を作る…。

 勝てるものも、勝てなくなります。…だから。」











「この人は俺が殺ります。」











ギンさんはサンジさんを殺ってケジメをつけるのならば。

俺は麦わらを殺ってケジメをつけよう。







「手合わせよろしく。麦わらさん。」

、俺は強ぇーぞ?」

「ご安心を。強い方が燃えるタイプなので。」

「そうか。」













俺は地を蹴り、首領の横を後にした。
































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