を隠してレストランの入り口に向かったら、船の海兵が騒いでやがった。

…邪魔なんだよ。









ドンッ!!!









静かになった海兵の横を歩きながら席に着く。







「…何でもいい。メシを持ってこい…。

 ここはレストランなんだろう!?」





そう言うと、





「いらっしゃいませ、イカ野郎。」





あぁ!?

んだこのアホダヌキ!

死にてぇのか!?





「もう1度しか言わねぇからよく聞け……!!

 俺は客だ、食い物を持って来い…!!

 それから、外にいる連れにもだ!!」





俺はイラっとしながら言った。





「お客様“ヘボイモおそれ入ります”が、代金はお持ちでしょうか?」

「……………!?鉛でいいか?」







ヤツの額に銃口を当てて言う。





「金は無イんですね?」





ヤツが言うと、









ガンッ!!!









ヤツは片腕を支えながら俺を頭から殴りやがった!

畜生…!!鳴るな、腹の虫!!!





「オーオ、腹の虫が泣いてるなァ、海賊。」

「…!!…今のァ屁だよ、アホダヌキ。

 いいからメシを…持って来い。」









でねぇとが…!!









「客じゃねェ奴ァ消え失せろ!!!!」









好きに殴られ、俺は放り出された。

自由に鳴る腹の虫を抑えながら床に突っ伏してると、

コト、と言う音と共にスゲーいい匂いのメシが現れた。









「食え。」









そう言い、どかっと俺の前に座る金髪の男。

眉毛はグルグルしてて、手には煙草。

ここの店員か?

俺は目の前のメシに喉を鳴らしてがっついた。





うめぇ……っ!!!





「面目ねェ!こんなにうめぇメシを食ったのは俺ははじめてだ…!

 ……っ!面目ねェ、面目ねェ!!

 死ぬかと思った…!!

 もう、ダメかと思った………!!!!」







自然に涙が流れる。

本当に…面目ねェ…!!





「クソうめェだろ。」





そう言って笑うこの人は本当に命の恩人だ。

…!もう一皿ある…?!







「…それはお前の仲間にだ。

 そこの樽の裏にいるんだろ?

 俺は襲わなねェから、食わしてやれよ。」







……っ!なんて人だ!!

俺は頷き、を担いでさっきまで自分のいた所まで連れてきた。

を見て、恩人…サンジさんの顔色が変わった。

…そりゃそうだろう。

一人で歩けもしないんだから。



壁にを預けて、俺は斜め右に胡坐をかいて座る。

スプーンにメシをのせ、の口まで持っていく。



「ほら、メシだ。…食えるか?」





ぱくっ。





何とか食えるみてぇだな。

一口、二口…だんだん食べるペースが速くなる。

半分ぐらい食べ終わった時、一筋の涙が、彼女の頬を流れた。

それは次第に量をましていき、気づけば滝のように流れていた。







「…………っ!

 こんなに…こんなに美味いご飯は食べたことないよ…っ!!

 あり…ありがとうございます……っ!!!!」







そう言うは本当に愛しくて。

思わず胸が締め付けられた。

















…サンジさんも似た気持ちだったとは気づかずに、

彼女は泣きながらメシを食べ終えた。















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