もう、何日ここにいるのだろう? あいつは…生きているのだろうか? 「よう。死んだか?」 「……。」 コツコツと靴を鳴らしながら、海兵は俺に近づいてきた。 「んー?返事がねぇ…なぁ!!」 ガッ!! いってぇ…!! この野郎…俺の腹に思いっきり蹴りを入れやがって…! だが、我慢だ…。 あと少し…。 「あー?生きてるんですかー?」 ガッ!ドゴッ!!バキッ!!! くっそ…好きにやってくれるぜ…! 「…どーやら本当に死んだらしいな。」 そう呟きながら、ヤツは俺の横にしゃがんだ。 …と、同時に。 ドゴォォォオ!!! 俺は隠し持っていたトンファーでヤツの顎を砕いた。 一発で伸びるなんて、ヤワな野郎だ。 ヤツの服を漁り、他の牢屋の鍵を頂いて飛び出した。 急がねぇと…!! 「!!!」 見つけた!! そう思って牢を開けた瞬間、俺は目の前の光景に目を疑った。 壁に打ち付けられた鎖に手を拘束され、着ていた筈の服はボロボロ、体も傷だらけ。 俺と同じで、飯も食わせてもらってねぇんだろう。 体は俺といた時よりも明らかに痩せ細っていた。 「!しっかりしろ!!…生きてるか!?」 「…………ぁ…。」 俺は駆け寄って声をかける。 何とか生きているようだ。 「畜生…!あいつら、ぶっ殺してやる!!」 そう言いながら、彼女の手錠をトンファーで砕く。 力なく床に置いた手を、俺の肩に回して彼女を背負った。 くそ…!本当に軽くなってやがる…!! 「ぎ……さ………。」 「喋るな!!」 「…ごめ………ん…。」 「…こーゆー時はありがとうって言えよ。」 「あ……がと…。だぃ…す………き………。」 「…ばーか。」 こんな時に何言い出すんだか…。 それでも嬉しいと思ってしまうのは惚れた弱みってやつか。 俺は海軍の船を逃げ出して、近くに停泊していた変な船に身を隠した。 …いや、を隠したと言った方が正しいか。 どうやらここはレストランらしい。 海上レストラン『バラティエ』。看板に書いてあった。 「…ここで待ってろ。飯、貰ってくるから。」 「ん…。」 短く返事をしたを置いて入り口に向かった。 NEXT >> |